シロアリ被害が出た家は、そのまま住める?売れる?

「家でシロアリを見つけてしまった……このままで大丈夫?」

家でシロアリを見たらゾッとしますよね。その時、家に対する不安を感じる方が多いです。
普段から暮らしている家でシロアリを見つける場合もあれば、久しぶりに訪れた別荘で、床下や柱にシロアリ被害を発見することもあります。

「最近、ドアの締まりが悪くなった」
「特定の場所だけ床が沈むような感じがする」
「物件を売ろうと思っていたのに、シロアリ被害があった」

シロアリ被害をきっかけに「この家をこれからどうすればいい?」という問題に直面するケースはさまざまです。
そして、一番困るのが、シロアリがいたという事実だけでは「住み続けていいのか」「修理すればいいのか」「売れるのか」「いっそ解体した方がいいのか」が分からないことではないでしょうか。

結論からいえば、シロアリ被害が見つかったからといって、すぐに家を解体しなければならないわけではありません。
一方で、家の基礎や構造部分まで被害が進んでいる場合は、単純な駆除や部分的な対応では将来の安全を十分に確保できないケースもあります。
大切なのは、「シロアリがいるか」だけではなく、「どこまで食害されているのか」「建物の安全性にどの程度影響しているのか」を確認し、そのうえで家の未来を考えることです!🏠️

シロアリを見つけたら「被害」を確認!

シロアリ被害が発覚したとき、最初に考えたいのは『被害がどこまで進んでいるのか』を確認することです🔍️

被害が比較的軽く、建物の重要な構造への影響が小さいのであれば、駆除と予防処理を行い、必要な部分だけ補修して住み続けるという選択肢があります。
一方で家の土台や柱など、建物を支える重要な部分まで食害が進んでいると話が変わります。
国土交通省の住宅ガイドラインでも、木造住宅の「構造耐力上主要な部分」について、蟻害・腐朽の有無が検査対象として扱われています。

つまり、「シロアリを見つけたけど、駆除したから安心!」とは限りません。
シロアリによって傷んだ建物が、どのような状態か正確に把握する必要があります。

「ドアが閉まりにくい」「床が沈む」は、放置していい?

ここは、普段から住んでいる方ほど気をつけたいところです。例えば、

「今まで普通に閉まっていたドアが閉まりにくい」
「廊下の一部分だけ床が沈む」
「床を歩くとギシギシする」
「柱や土台の一部が明らかに傷んでいる」

といった変化が出ている場合。
これらの症状だけでシロアリ被害によって構造が劣化したと断定はできません。
しかし、シロアリ被害や腐朽が疑われる家でこうした変化が出ているのであれば、「駆除したから大丈夫」と済ませずに、建物全体の状態を確認することが重要です。
放置して大きなトラブルになる前に、建物の構造的な状態まで確認する段階に来ているかもしれません。

シロアリ被害と地震による建物倒壊

『シロアリ被害があった建物をそのままにする』ことを軽く考えない方がいい理由の一つが、地震時に跳ね上がるリスクの問題です。
阪神・淡路大震災後に行われた木造住宅の調査では、蟻害・腐朽が確認された住宅の全壊率は93.2%、蟻害・腐朽が確認されなかった住宅は23.5%でした。
つまり、問題ない住宅に対して、蟻害・腐朽があった建物の全壊率は約4倍もあったということです。

もちろん、この数字は「シロアリ被害がある家は93.2%倒壊する」というわけではないです。
阪神・淡路大震災という特定の地震における調査結果であり、建築年代や構造、地震動など、さまざまな条件が影響しています。

ただし、シロアリ被害によって家の土台や柱などの構造部材の耐力が低下している住宅は、地震など大きな力が加わった時に倒壊してしまうリスクが跳ね上がっていることは事実です。
「シロアリが出たけど駆除したから大丈夫」ではなく、「食害された建物を、これからも安全に使えるのか」という未来の安全に対する視点を持つことがとても大事です!

被害があった家はそのまま売れる?

シロアリ被害が大きければ物件の売却を考える方もいると思います。シロアリ被害があったからといって、売却そのものが不可能になるわけではありません。ただし、買う側からすれば、

「見えないところまで傷んでいない?」
「購入した後に大規模な修理が必要にならない?」
「地震が来たとき大丈夫なの?」

という不安を持つ可能性があります。家の持ち主が見ないふりをしたリスクを、買う側は非常に気にします。
そのため、シロアリ被害の事実を知った状態で売却するのであれば、「売れるか・売れないか」だけではなく、「被害があった建物の状態を説明できるか」も重要になります。
被害状況が分からなければ、売値は低く買い叩かれてしまいます…

専門家の建物状況調査を利用する

中古住宅の売却では、専門家による「建物状況調査(インスペクション)」を利用する方法があります。
国土交通省も、既存住宅の売買において、第三者が客観的に建物の状態を調査するインスペクションの活用を進めています。調査結果は報告書として受け取ることができ、売主・買主双方が建物の状態を把握するための材料になります。
また、国土交通省の「安心R住宅」でも、耐震性やインスペクションによる構造上の不具合の確認などを「不安を払拭するための要件」としています。

一方、シロアリ対策については専門の調査会社などへの相談が案内されています。
つまり、シロアリ被害が判明した家を売る場合は「シロアリが出たから、もう売れない」と決めつける必要はありません。
専門家による調査を受け、現在の建物の状態を確認し、必要なら補修を行ったうえで売却の手順に移る。
こうして第三者の証明を用意すること、買主側の「よく分からないから怖い」という不安を減らして、売値の低下を押さえて売却しやすいようになります。

それでも「直して使い続ける」ことが難しい家もあります

問題は、シロアリによる食害が深刻なケースです。
例えば、土台や柱など建物を支える重要な部分が大きく食害されている場合。

「傷んだところだけ交換すればいいのでは?」

と考えたくなりますが、場所によっては簡単に交換できなかったり、被害が広範囲に及んでいれば部分補修では強度が確保できない可能性もあります。
特に、基礎や土台など建物を支える部分の状態が著しく悪くなっている場合は、部分的なリフォームや補修を重ねても、建物全体としての安全性を十分に確保できるのかを慎重に考える必要があります。
せっかくお金をかけて補修をしても、「地震などで建物全体に大きな力がかかったとき、本当に大丈夫なのか?」というリスクが解消されていない可能性が高いからです。言い方を変えれば、

「シロアリ被害で地震があった時のリスクが大きいです。そのまま住みますか?」

こう聞かれて「未来に対する不安はない、住めます」と即答できなければ、内心で不安があるということです。

「建て替えた方がいい」という選択肢

「床を直して、柱も交換して、土台も補修して……」と修理箇所が次々に出てきたとします。
その過程で調査をしていると、建物自体も古く、屋根や外壁、水回りなどの修繕が必要になりそうと分かったとします。ここまで来ると、

「この家を何とか延命することが本当に最善なのか?」

と考える必要があります。
被害の程度によっては、既存住宅を部分的に直すのではなく、建物を一度すべて解体して、基礎から新しい住宅をつくる「建て替え」という選択肢があります。これは単に「古い家を壊す」という話ではありません。

食害された部分を残したまま補修を繰り返すのではなく、既存の建物を解体して一度リセットし、そのうえで新しい建物をつくる。
将来にわたって安心して暮らすための「未来への投資」として、解体を考えるということです。
現代基準の耐震性能の高い居住にできるだけでなく、今の暮らしに合わせて建物をコンパクト化したり、敷地のスペース活用など色々と見直せます。

「これから何年使うのか」も考えたい

普段住んでいる住宅だけが対象ではありません。例えば、久しぶりに訪れた別荘でシロアリ被害が見つかったケース。

「普段は住んでいないから、多少傷んでいても仕方ない」

と考えるかもしれません。しかし、使用していない期間にも建物は劣化します。
「次に来たときに直せばいい」と先送りしているうちに、被害がさらに広がってしまう可能性もあります。そして、

「年に数回しか使わない別荘に、これから大きな修繕費をかけ続けるのか?😔」

という疑問も出てきます。
別荘を今後も使うなら、駆除・補修・改修によって維持する。売却するなら、建物状況を確認して売却を進める。
維持すること自体にメリットが少ないなら、建物を解体して土地として売却・活用する。
このように、「建物を残すこと」だけを前提にしない方が、選択肢が広がります。

シロアリ被害が出た家の未来は?

シロアリ被害を発見したら、まず考えるべきことは『被害の範囲を確認する』ことです。そのうえで、

・駆除、予防をして住み続ける
・必要な部分を補修・改修する
・建物状況調査などで現在の状態を確認して売却
・被害が深刻で、補修しても未来の安全確保が難しいなら解体
・解体したら新築or土地活用する

という複数の方向を比較することが大切です。
調査によって土台や柱などの構造部まで深刻な食害が進んでいることが分かったら、「とりあえず直して住む」という判断だけではなく、建物を一度解体して基礎からつくり直すことが、将来の安全を考えた合理的な選択になる場合もあります。

「シロアリが出たから、この家はもうダメだ……」と決めつける必要はありません! しかし「シロアリを駆除したから、これまで通り住める」とも限りません。

大切なのは、今の家がどの程度傷んでいるのかを知り、その状態に合わせて「これからどうするか」を決めることです。
もし調査や補修をした結果、「この建物を残すより、解体して新しくした方がいいのでは?」という判断になった場合は、解体も未来の選択肢の一つになります!

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