相見積りで一番安い業者、本当に大丈夫?
解体工事の費用は決して安くありません。だからこそ、複数の業者から相見積もりを取って比較するのは賢明な判断です。しかし、もし他社より極端に安い見積もりが出てきたら?
「ラッキー、安く済みそう!」と飛びついてしまう前に、少し立ち止まってみてください。相場より異様に安い業者への依頼には、思わぬリスクが潜んでいるかもしれません。
そもそも、あなたは何のために解体するのでしょうか?
土地を有効活用するため、建て替えのため、相続した家を整理するため―――
あなたが考えている「解体後のより良い未来」があるはずです。そんな未来が解体業者によって、リスクを増やす結果になってしまったら…?
今回は、安すぎる業者が抱える問題と、信頼できる業者を見極めるポイントについてお話しします。
架空の依頼主・田中さんの後悔
まずは、実際にありうるケースをご紹介。
田中さん(仮名)は、実家の解体を3社に見積もり依頼しました。A社280万円、B社250万円、そしてC社は驚きの180万円。
「一番高いところと比べて100万円も差があるなら、C社に決めよう!」
しかし工事が始まると、近隣から苦情の嵐。
解体現場の養生(飛散防止ネットや防音パネルの展開)が不十分で粉塵が近隣宅に飛散し、作業も早朝や日が落ちた夜に行われたり。隣家の外壁にも傷がついてしまいました。
最終的に近隣への謝罪と清掃費用で数十万円、外壁の補修でも数十万の追加出費が発生…
「結局、A社やB社より高くついた。それ以上に辛いのが、ご近所との関係が悪化してしまったこと。元々は建て替えて住み続けるつもりだったけど、もう気まずくて……引っ越しを考えています」
田中さんが求めていたのは、建て替えて新しい生活を始めることでした。しかし、安さだけで選んだ業者によって、その未来が台無しになってしまいました。
極端に安い見積もりには、必ず理由がある
相場より極端に安い解体業者は、削ってはいけないコストを削っている可能性があります。
先に上げた事例だと、解体現場を囲う養生に掛かるをケチったり、受注した業者側の都合で早朝や夜に作業をするなど、コストを削った皺寄せが現れています。
解体工事は建物を壊すという「手段」ですが、ただの破壊と解体は違います。解体には専門の技術と知識があって、初めてスマートな解体現場が成立するのです。
そのため、料金の安さだけ見て決めてしまうと、かえって依頼者側のリスクが増えてしまいます。
信頼できる業者を見極めることが、安心な解体工事、そして明るい未来への第一歩です!
なぜ、こんなに安い? 知られざる理由
実際にあった違法解体工事の事例
2023年9月、東京都品川区で発生した違法解体工事では、以下のような問題が明らかになりました。
- 養生(防音パネル)なし、囲いなしでの工事
- 隣接マンションの堀を破損、道路の一部も破損
- 粉塵が周辺一帯に充満
- 元請けの厳しい要求によって作業をする下請けが無茶を重ねる
報道によると元請けとなった解体業者が作業をしていたわけではなく、外国人作業員が主体となっていた下請けが現場作業を一任されていたようでした。本来はクレーンなどで釣り上げて上から崩していくような高層建築に対して、下請けは手作業で解体を進めていたようです。
そうした状況に対して元請けが解体をすぐに終わらせるよう要求。できない場合は報酬を30%を差し引くと伝えていたようです。
このプレッシャーを受けた作業員が強引に重機を導入したところ、敷地外にはみ出た解体ゴミにより道路の通行が阻害され、隣のマンションのフェンスを壊す事故にまで悪化。
悪い事例として全国ニュースで取り上げられて、多くの人が知ることになりました。
これはあくまで一例ですが、依頼料が低ければ様々なところに負荷が掛かって解体現場に悪い影響として現れます。周囲に影響すれば、依頼主も知らん顔はできません。周囲から見れば土地の持ち主はあなたですし、依頼を出したのもあなたですから……
それでは安く請けるウラでどんなリスクが増えているのか掘り下げてみます。
理由1:人件費削減と教育不足による現場リスク
昨今の解体業界では、人件費の高騰により、より安い人材として外国人労働者が多く参入しています。外国人労働者そのものに問題があるわけではありません。
問題の本質は、雇用側による教育不足です。日本の法律や慣例、安全基準を理解しないまま作業させる。適切な指導や管理体制を整えないまま、厳しい工期や条件を押しつける…
こうした環境では”真面目に働いているつもり”の作業員でも、知らずに違法な解体をしていて事故につながってしまいます。
人件費を抑えることで見積もりは安くなりますが、その代わりに現場作業者の理解不足でリスクが増大しています。
理由2:下請け構造と無理な工期・コスト圧力
元請けが安く請け負い、さらに安い下請けに依頼。下請けはさらに孫請けへ…。このような多重構造では、実際の現場に十分な予算が回らず、無理な条件での作業を強いられることになります。
適正な工期を無視したり、人員や重機をケチることで、無理な解体作業を強行。安全対策が疎かになり、事故や近隣トラブルのリスクが跳ね上がります。
また、下請けは立場的に元請け側から『要望』を断りづらいため、元請けから圧力が掛かると危険な判断へ追い込まれます。
理由3:安全対策・近隣配慮・産廃処理の省略
養生(防塵シート)、散水、誘導員の配置など、削ってはいけないコストが削られがちです。
通常の解体工事現場で見られる一般歩行者を誘導する警備員の姿もなく、飛散防止ネットの量をケチる・隙間の空いた貧相なビニールシートで囲うなど。
さらに深刻なのが解体で生じたゴミ、産業廃棄物の処理です。解体ゴミを不法投棄して処理費用を負わないというケースがありますが当然違法です。解体現場の地中に産廃物を埋めるなどの悪質なケースも……
また、地中に埋まっている杭や水道管などを『コストダウンのため』途中でカットしてそのまま放置する業者も存在します。
「まあ、大丈夫だろう」が、未来を壊す
「安いけど、きっと大丈夫だろう」「何かあっても業者の責任だし」
そう思っていませんか? しかし現実は違います。依頼主であるあなた自身が、様々なリスクを負うことになるのです。
あなたは何のために解体するのですか?
土地を売却して新しいスタートを切るため? 建て替えて快適な住まいを手に入れるため? 相続した空き家を整理して、維持費の負担から解放されるため?
その目的は「より良い未来」のはずです。解体という手段で、かえってトラブルやリスクを抱え込んでしまったら、本末転倒ではないでしょうか。

依頼主が負う3つのリスク
リスク1:近隣トラブルと関係悪化、そして追加費用
粉塵、騒音、振動による近隣からの苦情。解体業者の杜撰な対応により、依頼主であるあなたが謝罪に回る羽目に。
「あの家のせいで、外壁が汚れた」「変な時間に工事の騒音で、子どもが泣いて困る」
こうした不満が積み重なれば、解体後に近隣とずっと気まずい関係が続きます。建て替えて住むつもりだった方が、近隣との関係悪化で引っ越しを余儀なくされるケースさえありえます。
さらに、隣家の破損、道路の破損、整地のやり直し。これらの弁償や追加工事の費用は、結局、依頼主が負担するケースが多いです。
『安い業者に頼んだはずなのに、最終的に相場より高くついた』という後悔は、よく聞く話です。
リスク2:不法投棄や手抜き工事による法的・経済的リスク
解体工事では解体業者が排出事業者として扱われるため、不法投棄の罪が依頼主に及ぶことは基本的にありません。
しかし、不法投棄が行われることを事前に知りながら発注した場合や、違法行為が行われていないかの確認を怠った場合には、責任を問われる可能性があります。『異常に安い見積もりだけど、まあいいか』と目をつぶった結果、法的なトラブルに巻き込まれることも。
さらに深刻なのが、解体後の土地利用への影響です。
もし、地中に解体ゴミを埋められると「さあ、新しい家を建てよう」と工事を始めたら、地中からコンクリート片や木くずが大量に出てきて初めて発覚……撤去に数十万円かかるだけでなく、建築計画も大幅に遅れます。
売却や賃貸を考えても、土地の価値が下がってしまいます。解体後の土地活用という「未来」が、台無しになってしまうのです。
リスク3:精神的ストレスと未来への影響
十分な環境を整えて解体しなかったことによる近隣への謝罪、業者との交渉、追加費用の支払い…
解体を終えて新しいスタートを考えるべき時期に、トラブル対応に追われる日々。
「解体なんてしなければよかった」
「もっとちゃんと業者を選べばよかった」
こうした後悔と精神的な負担は、計り知れません。一体、何のための解体だったのでしょうか?
未来をより良くするための解体が、かえって未来を暗くしてしまう。これほど悲しいことはありません。
信頼できる業者を見極める3つのポイント
では、どうすれば信頼できる業者を選べるのでしょうか?
具体的なチェックポイントをご紹介しますので、ぜひ業者選びの時に活用してください!
1. 建設業許可証・解体工事業登録と見積もりの透明性
正規の許可や登録を持っている業者は、必要な施設や体制が整っている証拠です。見積もり時に必ず提示を求めましょう。提示を渋る業者は要注意。
また、『一式』と書かれた曖昧な見積もりではなく、項目ごとに詳細が記載されているかを確認しましょう。産廃処理費用、養生費用、整地費用、近隣対応費用。これらが明記されていない見積もりは、後から追加請求される可能性があります。
「なぜこの項目にこの費用がかかるのですか?」という質問に、具体的に答えてくれる業者を選んでください。
2. 自社施工かどうか、現場管理体制の確認
下請けに丸投げせず、自社スタッフで直接施工する業者なら、責任の所在が明確でコストも抑えられます。「うちは元請けとして管理だけします」という業者より、「自社で責任を持って施工します」という業者の方が安心です。
そうはいっても解体規模が大きいと下請けは珍しくないため、元請けだけで完結できることを重視しすぎると業者選びが難しくなるため、このあたりの判断はバランスです。
また、作業員への教育体制や安全管理についても確認しましょう。外国人労働者が働いていること自体は問題ではありませんが、日本の法律や安全基準をしっかり教育しているか、現場監督がきちんと管理しているかが重要です。
3. 近隣対応への姿勢とマニフェストの提示
近隣への事前挨拶、工事中の配慮、万が一のトラブル対応。近隣への丁寧な対応を重視する業者かどうかを確認しましょう。
「近隣への挨拶はどのようにされますか?」
「養生や粉塵対策はどうされますか?」
こうした質問に、具体的に答えてくれる業者を選んでください。
また、マニフェスト(産廃処理証明)は産業廃棄物が適正に処理されたかを確認するための書類です。特に最終処分終了票のE票で、全ての処理が完了した証明を確認できます。
真っ当な業者なら自主的に依頼者にマニフェストのコピーを提出しますが、見積りなどの時点で「工事後にマニフェストのコピーをいただけますか?」と質問して、快く「もちろんです」と答える業者は信頼できます。
東信解体が大切にしていること
1. 自社施工による責任ある対応
基本的に自社のみ・日本人の社員で責任を持って直接施工しています。
下請けなどの中間マージンが発生しないため、適正価格でのご提供が可能です。
責任の所在も明確で『誰に相談すればいいかわからない』という不安もありません。
2. 丁寧な近隣対応
現場周辺のお宅への事前挨拶、工事中の配慮、万が一のトラブルにも迅速に対応。
当社は『お客様の解体後の未来』を見据えた解体を心がけています。
あなたが求めているのは、解体後の明るい未来のはずです。その未来を守るために、当社は近隣との良好な関係構築を欠かしていません。
3. 見積もり内容への丁寧な説明と現地調査の徹底
見積もりの各項目について、「なぜこの費用が必要なのか」をしっかりとご説明します。お客様に安心いただける透明性のある見積り作りを心がけています。
また、現地の下見を行ってから、正確な作業量に応じた見積もりを作成しています。解体は「実際に現場を見ないとわからない」部分も多いからこそ、当社は現地調査を重視しています。
長野県東信地域(東御市・小諸市・佐久市・上田市・軽井沢町)はもちろん、北信地域(長野市・松本市など)の個人・法人のお客様に対応しています。
「安心」という価値を適正価格で
解体工事は、建物を壊すという「手段」です。依頼者様が本当に求めているのは、解体の先にある「より良い未来」だと私たちは認識しています。
- 土地を売却して、新しいスタートを切る
- 建て替えて、快適な住まいを手に入れる
- 相続した空き家を整理して、維持費の負担から解放される
- リノベーションして、事業を始める
こうした明るい未来のための解体が、かえってリスクやトラブルを増やしてしまったら、本末転倒です。
相場より極端に安い業者には、必ず理由があります。
その理由が『削ってはいけないコストを削った安い見積額』なら、あなた自身が大きなリスクを負うことになります。
安さだけではなく、本当に信頼できそうな業者を選ぶこと。それが、解体後の明るい未来への第一歩です!
見積もりは複数社から取り、内容をしっかり比較しましょう。そして『なぜこの価格なのか』を納得できる業者を選んでください。
東信解体では、無料見積もり・現地調査を承っています。
「この見積もり、妥当なの?」「安全な解体ってどういうもの?」「他社の見積もりについて、セカンドオピニオンが欲しい」
東信解体では、他社様が出した見積もりについてのご相談も可能です。
『この項目は何のための費用?』『この金額は適正?』といった疑問に、誠実にお答えします。
他社様見積り後の相見積りもしておりますので、お気軽にご相談ください。あなたの未来のために、誠実にお応えします!